【無料公開】初の「船舶診療」、薬の用意は医療チームで

熊本地震、ニーズに応じて熊本県薬と連携へ

2026/8/4 23:04
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はくおうⅡ(防衛省・自衛隊「災害対策」公式Xより)

 内閣府は4日、熊本地震を受け、八代港に停泊し防衛省が入浴支援などを行う大型フェリー「はくおうⅡ」の一部を活用し、医療提供を5日から実施すると発表した。今年1月に災害時の船舶活用医療の運用が開始されてから初の事例となる。医薬品の提供は、船内で活動する医療チームの持参分で対応を始める。今後、慢性疾患の治療薬などへのニーズが多いようであれば、熊本県薬剤師会とも相談しながら対応を検討する。

 県は、八代市をはじめ県内の多くの医療機関が被害を受けたことを踏まえ、1日に県知事から内閣府特命担当大臣(防災)に対して、船舶を活用した医療の実施を要請。内閣府は防衛省、日赤、DMAT、JMATなどの医療関係者と連携して「はくおうⅡ」の一部を活用することを決めた。

 医療提供の内容は、▽発熱や体調不良などの一般的な内科診療▽軽いけがの処置▽熱中症や脱水に対する治療・経過観察―などを想定。レントゲンやCTなどの高度な検査、入院や手術は行わない。費用は無料。5日の午後2時から開始し、6日以降は午前10時から午後8時まで利用できる。乗船手続きは午後7時30分まで。

 内閣府の担当者は、医薬品について、現時点ではニーズが読めない部分があるため、医療チームの「手持ち分」で提供する形からスタートすると説明。そのため、災害処方箋を発行し、地域の薬局で調剤を受けるよう促す可能性もあるとした。その上で、現地の医療体制を阻害しないことが重要だとし、ニーズに応じて県薬剤師会とも連携し、モバイルファーマシーの活用も含めて対応を調整していく考えを示した。

 災害時などの船舶を活用した医療提供を巡っては、1995年に発生した阪神・淡路大震災を契機に議論が高まり、2011年の東日本大震災の経験を踏まえて検討が進められてきた。21年には「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」が成立。25年に活動の手順やルールを定めた活動要領を策定し、今年1月から運用が開始された。

●宿泊支援には自衛隊医療班、医薬品は県手配

 はくおうⅡでは今後、宿泊支援も行う予定。県によると、宿泊支援の際は自衛隊の医療班が救護所を設置する見通しで、必要な医薬品は県がすでに手配したという。

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