
衆院厚生労働委員長を務める自民党の田畑裕明氏は16日、能登半島地震の被災地視察を受けてじほうの取材に応じ、連携をとって支援に当たっている薬系団体や、現場で活動する薬剤師に感謝を述べた。また被災した薬局については「地域医療の大切な資源」とし、一日も早い再建に向け「しっかりバックアップしていきたい」と述べた。
田畑氏は15日、国立能登青少年交流の家(石川県羽咋市)を訪問し、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が厚生労働省や石川県薬剤師会などと連携して実施している避難所へのOTC医薬品等の供給拠点を視察した。田畑氏は、同支援事業が迅速に立ち上がったことや、関係団体が連携していることなどを「画期的」な取り組みだと評価。奥能登を中心に断水が続き、感染症や寒さの課題もある現状を「避難者の健康を守ることが大事なフェーズ」だと分析した上で、「全国から薬剤師が現場に入り、しっかり寄り添って対応していた。関係者の連携が見えた」と現場の様子を振り返った。
田畑氏は、薬剤師らが現場で被災地支援のため使命感を持って懸命に取り組む姿を「大変心強い」と言及。その上で、支援の長期化が予想されることから、行政に対しては財政的な支援を含めて、支援継続のためのさまざまな手立てについて「当事者の方々の声をしっかりと聞いて、つないでいきたい」と述べた。被災した薬局についても、「地域医療の大切な資源」とし「医療機関と連携して地域医療や福祉を守る拠点」だと強調。再建について「しっかりわれわれもバックアップしていきたい」と話した。
●全国から投入のMP「ありがたいこと」
日薬を通じ全国から被災地入りし活動しているモバイルファーマシー(MP)にも期待を寄せた。7日に岐阜県薬のMPが活動を始め、その後も各地から追加出動があったとし「率先して取り組んでいただいている」ことに謝意を表明。「現場でも非常に重宝されていた」とし、「被災地にとって大変心強く、ありがたいことだと思う」と語った。(小泉 壮登)