能登半島地震で被害を受けた石川県内の病院への薬剤師派遣が広がっている。日本病院薬剤師会によると、被害が甚大な能登半島北部だけでなく、被災した患者を受け入れている金沢市内の病院も支援。現地のニーズに応じて、今度も派遣人数を増やす可能性があるという。
石川県庁を拠点にしている日病薬の現地調整班によると、22日時点で能登北部の珠洲市総合病院に2人(沖縄、長崎から派遣)、市立輪島病院に2人(愛知、鳥取から派遣)の薬剤師が活動している。自身も被災している現地薬剤師の業務を代行し、発災直後から活動を続けている現地薬剤師が休めるようにする。宿泊施設がないため病院内に泊まり込む。
能登北部から金沢市内の病院に転院する患者も増えてきているという。そのため、日病薬は金沢市内の石川県済生会金沢病院、JCHO金沢病院、金沢赤十字病院に各1人ずつ派遣。薬剤業務をサポートする。
能登北部、金沢市内の医療機関に派遣された薬剤師は、いずれも基本的に1週間単位で活動し、切れ目なく順次交代していく予定。現地調整班によると、「中長期的な支援が求められている」という。
●現地ニーズ踏まえ増員検討も
日病薬は10日から石川県内の病院への派遣を開始。まずは珠洲市総合病院に富山県の病院薬剤師1人が入った。11日からは公立宇出津総合病院(能登町)に派遣し、金沢大付属病院の薬剤師が、ある程度同病院の復旧が進んだ13日まで活動したという。22日時点で、珠洲市総合病院に派遣する薬剤師数を2人から3人に増やす要望も上がっているといい、今後派遣人数を増やすか検討を進める。
金沢市内の病院への派遣は16日からスタート。患者増に伴って業務量が増える可能性があるため、現在の3病院以外にも派遣先の病院数が増える可能性もあるという。
また県庁にいる調整班も県外から派遣された薬剤師で構成。薬剤師2~3人体制で、日病薬や現地医療機関、行政との調整などを担っている。