日本病院薬剤師会は3日の会見で、能登半島地震への対応で日病薬から派遣した災害登録派遣薬剤師と災害ボランティア薬剤師の合計が82人だったと報告した。通常の医療提供体制が維持できる見込みとなったため、支援活動は3月22日に終了。武田泰生会長は、オンライン会議システムを活用し石川県病薬と会議を重ねて医薬品の欠品を未然に防ぐなど「迅速に対応できた」と言及。その上で、被災地ではDMATやJMATなどさまざまな医療チームで病薬が活動していたが全容は把握できていないため、関係各所にアンケート調査を行い人数や活動内容をまとめる考えを示した。
日病薬は1月2日に災害医療支援本部を立ち上げ、4日からは石川県病薬とのオンライン会議を開始。会議は3月26日まで計32回行い、現地の情報収集や支援計画決定のための重要な機会になった。抗菌薬や抗インフルエンザ薬が不足する可能性があると現地から報告を受けた際も厚生労働省につなぎ、欠品が生じないよう対応できたという。
石川県庁の現地調整班のほか、奥能登の4病院、後方支援として金沢市内の5医療機関に薬剤師派遣を実施。活動した薬剤師は災害登録派遣薬剤師が47人、災害ボランティア薬剤師が35人の計82人だった。
武田氏は、支援の間、現地調整班に日病薬の事務局員が交代で常駐していたことや、後方支援に当たる医療機関にも派遣できたことは、日病薬として従来にない「新たな対応」だったと説明。今後はDMATなどさまざまな医療チームで活動した病薬が「どれだけいて、どのような活動をしたのか」を全て把握するため、アンケート調査を実施するとした。