近年、医療の高度化が進み、薬局薬剤師が担う役割はますます大きくなっている。業務効率化が喫緊の課題となるなか、救世主として期待されているのが、三菱電機デジタルイノベーションが開発した薬局向けオールインワンプラットフォーム「AnyCOMPASS」だ。
メインサービスの1つであるクラウド版電子薬歴に導入された生成AI技術を活用した「AIアシスタント」が、多くの薬剤師から高い評価が寄せられている。
■40時間超の残業時間がほぼゼロに
東大発ヘルスケアAIベンチャーのmediLabと共同開発したAIアシスタントを使って服薬指導を行うと、生成AIが患者の属性や処方内容などの情報を踏まえ、薬剤師が何を伝え、何を確認すべきかを細かくアドバイスしてくれる。
また、服薬指導中の会話がリアルタイムで文字起こしされ、SOAP形式の薬歴を下書作成してくれるため、これまでの薬歴作成時間が大幅に削減。ある薬局では、薬剤師全員で合計40時間以上あった残業が、ほぼゼロになるなど目覚ましい成果がみられたという。
「導入薬局からは、さまざまな点が評価されています。メモを取らなくてもAIが文字起こしをしてくれるので、患者さんの目を見て指導ができたというお声をいただいています。また、業務にAIを使っているということが、薬局にとってプラスのイメージにつながり、薬剤師の採用活動にも役立っているという経営者もいらっしゃいました」と、流通・ヘルスケア事業部の高野謙司氏はメリットを挙げる。
■AIが服薬指導の均てん化を図る
AIアシスタント導入から1年以上が経ったいま、現場で喜ばれているのは業務の効率化だけにとどまらない。例えば、“過去歴で、薬剤師が下部の記載を追いそびれた内容をAIがSOAP生成で拾ってくれて気づくことがあった”、“時間の余裕からコミュニケーションの時間を設けることができ、薬局の雰囲気が向上した”といった声が多数、寄せられているという。
「重症の患者さんでは、服薬指導で確認しなくてはいけないことが多くあるため、聞き漏らしたりすると大きな事故につながりかねません。例えば、そのような患者さんを経験したことのない薬剤師が他店舗からヘルプできた場合でも、AnyCOMPASSのAIが的確な服薬指導をサポートします」と、流通・ヘルスケア事業部の重富健二氏はシステム導入により、服薬指導の均てん化が図れると指摘する。

■レセコンが加わり、さらに役立つサービスに進化
AnyCOMPASSの次の展開として注目されるのが、電子薬歴とシームレスに結びついたレセコンの登場(2026年度中予定)である。これにより、受付から処方箋入力、疑義照会、服薬指導、加算の算定など、一通りの業務を生成AIのサポートのもと、より早く、より正確に行うことが可能になるという。
例えば、医師に確認すべき内容が処方箋に含まれていれば、AIは疑義照会を促すだけでなく、その理由や薬学的妥当性、保険適用上の問題、疑義照会を行った場合に算定できる調剤報酬の点数なども表示。薬剤師だけでなく、事務スタッフの業務効率化にもつながるため、マンパワー不足に悩む薬局にとって心強い。
電子薬歴とレセコンを併せたプロトタイプを各学会会場で展示したところ、来場者から絶賛の声が相次いだという。各機能で使われている技術はオリジナリティも高く、すでに5件の特許をもっている。オールインワンにしてオンリーワンのAnyCOMPASSは、現場の問題を解決すべく、今後もさらなる進化を目指していくとしている。
※(「PHARMACY NEWSBREAK 2026年4月 特別編集」より転載)
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