能登半島地震の被災地への薬剤師派遣の要請に備え、日本薬剤師会は5日、都道府県薬剤師会を対象に派遣体制の調査を始めた。被災した県から正式な依頼があった際に、迅速に対応するため。
調査項目は主に2つ。1チーム3人で原則5日間の活動を想定した上で、「派遣要請があった場合、何日後をめどに出動できるか」を尋ねている。また、「現在、JMAT(日本医師会災害医療チーム)やDMAT(災害派遣医療チーム)に帯同しているか(予定を含む)」も確かめている。
災害対策本部長の山本信夫会長はこの日午前、じほうの取材に応じ「要請があれば直ちに動けるように調査する」と説明。東日本大震災では、発災直後から3カ月程度は派遣を継続したことを踏まえ、「長期の支援になることを考慮しながら調整していく」とした。具体的な支援内容は「現地のニーズを確認する」としつつ、医薬品の提供・相談や公衆衛生の管理を想定しているという。
この日、都道府県薬剤師会の会長宛てに通知を発出した。「被災県より正式な依頼があった際は、日薬から派遣薬剤師の募集要項などと併せて案内する」としている。
●日病薬も派遣準備に着手
日本病院薬剤師会も、被災県以外の地域から被災地の病院に薬剤師を派遣する準備に着手した。石川県病院薬剤師会を通じて、必要な人員数などを確認している。また、岡山県薬剤師会は5日、災害派遣薬剤師のボランティアの募集を開始。参加希望者のリストは「JMATおかやま」の編成のほか、日薬からの派遣要請にも活用する。