能登半島地震で被災した石川県珠洲市に向けて、岐阜県薬剤師会が所有するモバイルファーマシー(MP)が7日早朝、金沢市から出動した。MPとは別に石川県薬剤師会も、OTC薬を持参し能登半島の最北部の輪島市と珠洲市、穴水町へ出発した。金沢市内の石川県薬剤師会で午前6時から出陣式が行われ、中森慶滋会長は「薬剤師魂で被災者の健康に寄与してほしい」と激励した。
●石川県薬が調整依頼、岐阜県薬が名乗り
MPは、石川県薬が被災地のニーズをくみ取り、日本薬剤師会に調整を依頼。岐阜県薬が名乗りを上げ、能登半島地震の被災地に初めて投入されることになった。
●薬剤師3人が車内で寝泊まりして任務に
岐阜県薬の会員薬剤師3人が搭乗。同日珠洲市に向かい、MP内に寝泊まりしながら任務に当たる。石川県薬によると、被災地では糖尿病など持病がある被災者の薬が切れるなど一刻も早い治療薬の処方が求められているという。
MPの3人は災害派遣医療チーム(DMAT)や日本医師会災害医療チーム(JMAT)に同行し、医師から出された災害処方箋に基づき調剤を行う。
●在庫が不足したら地元卸が協力
MPに備えた治療薬の在庫が足りなくなった場合は、地元の医薬品卸明祥(アルフレッサホールディングス傘下の卸)から補充を受ける予定だ。
●石川県薬もOTC薬持参で被災地入り
石川県薬も被災地に向かった。3つの隊(各2人)に分かれ、輪島市と珠洲市の隊は現地に宿泊、穴水町の隊は日帰りで活動を行う。今後、岐阜県薬とは別にMPを追加で導入する際の配置場所や、被災地の医療ニーズ、必要な生活支援を調査する。また処方箋のいらないOTC薬も持参し、風邪薬や痛み止め、便秘薬などを必要とする被災者を支援する予定だ。