武見敬三厚生労働相は9日の閣議後会見で、能登半島地震の被災地に投入するモバイルファーマシー(MP)について、すでに7日に岐阜県薬剤師会のMP1台が石川県珠洲市に入っているほか、9日には同県輪島市にも1台入るとし、「今後、現場の詳細な状況が確認でき次第、順次、追加出動を予定している」と述べた。
医薬品の供給状況に関しては、現地の医療機関から石川県庁に寄せられている供給要請に対し、県内の卸売業者から輸送する体制を整備していると説明。医療機関から取引のある卸売業者に直接依頼し発送してもらう通常のルートと併せて、供給体制の確立を目指す。
抗菌薬など災害直後に特に必要とされる医薬品だけではなく、糖尿病患者に必要なインスリン製剤など「さまざまな医薬品の要請がある」としつつ、「陸路の状況にもよるが、基本的には(要請があった日の)翌日には現地の医療機関などに届けられている」と述べた。
●ノロ疑い約30件報告
避難所などでの感染症対策にも言及。現在、ノロウイルス感染症と思われる報告が約30件あると発表した。厚生労働省は8日付の事務連絡で、対策を自治体に呼びかけている。また、日本環境感染学会のDICT(災害時感染制御支援チーム)支援のため、厚労省職員と国立国際医療研究センターの専門医を現地に派遣しているとし、避難所で感染症が発生した場合の相談体制の整備を進めていると説明した。